How to Coaching (球の捉え方)

How to Coaching (球の捉え方)

高校の卓球部に入部早々、主将の金子さんから「先輩達の練習をよく見て、技術を盗む様にしてください。」と新入部員全員に上達の秘訣の様なアドバイスをして頂きました。疑うことを知らない純真な私は、「そうか、卓球はだれかに教わるのではなく、技術を盗み、修得しなければいけないんだ」と素直に納得していました。今なら「寿司職人じゃないんだからー、とっとと教えてくださいな」そう言ってます。金子主将に同窓会でこの思い出話をしたら、「そんなこと言ったっけ?」とお忘れになられていました。

「卓球コーチに感じること」で過去6人のコーチに習いましたと、前述しましたが、今回は6人目のコーチをご紹介しようと思います。私が唯一、文句を言わず服従している方です。輝かしい戦歴を残されて、実業団のサンリツから現在、卓球教室のコーチ業をされています。

杉本 枝穂コーチ (スタジオCan!)

【戦歴】

  • 2002年 全国選抜優勝
  • 2003年 国体優勝
  • 2007年 全日本学生優勝
  • 2009年 日本リーグ優勝
  • 2010年 社会人ダブルス準優勝
  • 2011年 USオープンダブルス優勝

上記の戦歴はスタジオCan!のホームページにも掲載されています。

以下、杉本コーチのアドバイスの一例です。

  • まず生徒の欠点を指摘します。例えば「もっと早くニュートラルに戻りましょう」
  • 悩んでいると「重心が左に掛かっているから戻りにくいんです」とアドバイス。
  • 「右足で溜めて、右足重心で打つと戻れます」と解決するコツを教えてくれます。

このようなアドバイスのおかげで左に体が流れなくなりニュートラルへの戻りが早くなります。

指摘(indication)→理由(reason)→解決(solution)

この手順で教わることが多く納得し、また目からウロコ状態になります。欠点ばかりを指摘してそれでおしまいというコーチをよく見かけます。酷いコーチになると、「さっき教えたのになんでできないの!」と生徒を叱ります。堪らず泣いてしまう子供もいます。なぜ教えたのにできないのか?「それはあんた、あんたの教え方が悪いんだよ」と言いたくなります。もっと指導法を勉強することを世の中のコーチに望みます。

杉本コーチの色白なご尊顔を拝見しながら練習するのは、ムサい中年コーチに教えられるより楽しいもんです。しかし時折「動いていませんよー。もっと動きましょうね。」と杉本コーチにアドバイスされる時、ほんの一瞬、この人は今イラついているのではないか?本音は「おらおら!もっと動かんかい!ぼけ!(青森出身なので大阪弁ではないはず😁)」と思っているんじゃないかしら?全日本学生で優勝している方です。青森山田出身でサンリツに在籍していた方です。卓球に対する姿勢は一般人と比較になりません。厳しい世界に身を置き、自らを律して生き抜いた卓球選手が中途半端な卓球オヤジを見て、フラストレーションが溜まらない訳がない。それでも今日も優しい眼差しで「もっと動きましょうね💓」と言ってくれます。

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球の捉え方

杉本コーチから何度も同じアドバイスを受けていました。「ラケットを球の丸みに沿ってスイングしましょう!そうすれば球をコントロールしやすくなります。」と。しかしそれ程、重要なことだと思わなかったので、何となく聞き流していました。(スミマセン!😓)ドライブ、ファアハンド、バックハンド、ツッツキのスイングどれも球の丸みに沿ったスイングをするとミスが少なく安定することに最近、ようやく気が付きました。

ラケットを被せて打とうとすると肘が上がってしまいますが、それよりも球の丸みに沿って打つという意識の方が肘も上がらずコンパクトなスイングで打てます。表ソフトを使用する選手は弾く様に球を捉えますが、裏ソフトでは球とラケットの接地時間が長いほうがコントロールしやすいとのことです。

東山高校、宮木操監督のDVDの冒頭部分で監督が説明しているシーンがあります。球とボールのインパクトの瞬間をハイスピードカメラで撮って計測すると接地時間1400分の1秒と言っています。この短い時間に球の丸みに沿ってグリッと打つ、こんな感覚の様です。これはあくまで一説ですので、ご参考になれば幸いです。

丹阿弥清次

1955年生まれ。広告デザイン会社退社後、デザイン会社を起業して三十数年。卓球歴は大学以来40年の空白状態。還暦前に再挑戦。しかし奮闘努力の甲斐もなく今日も涙のボールが落ちる。

※批判的なコメントはご容赦願います。